%T 『三十六歌撰』絵巻 %A 大田南畝書 %A 高田圓乗畫 %C 解説: 『三十六歌撰』絵巻 本『三十六歌撰』絵巻(一巻)は、藤原公任の『三十六人撰』に選ばれている歌人(三十六歌仙)の和歌から、一人一首ずつを選び、歌人名と和歌を大田南畝が染筆したものである。また、それぞれの和歌の内容を、狩野派の絵師である高田円乗が、淡彩で簡略な風景画で描いている。ただし、三十六歌仙のうち、斎宮女御と源重之が欠落しているので、合計三十四人分の和歌と絵からなる。 本絵巻は、三十六歌仙の肖像画ではなく、和歌の風景が描かれているのが特徴である。絵巻の制作年、および制作の動機・目的は未詳。絵師の円乗は、詳しい経歴は不明だが、孔子伝や兼好伝の挿絵も描いている。『大田南畝全集』によれば、円乗は南畝や朋誠堂喜三二と交友があった。本絵巻の末尾に、桐廼舎主人(岡野半牧)の考証で、円乗が「徒士組」だったと記されているのは、円乗の伝記に関する新資料か。だとすれば、南畝・喜三二・円乗の三人には、武家の出身という共通項があることになる。南畝と円乗による、珍しい合作絵巻の佳品である。南葵文庫旧蔵(請求記号A00:6251)。 放送大学教授 島内裕子 %C 一般注記: 写本 %C 請求記号: A00:6251 %T 水野家古文書(水野忠幹氏旧蔵書文書) %C 水野家古文書(水野忠幹氏旧蔵書文書)概要 本文書は、紀州徳川家の附家老であった水野家が所蔵していた古文書類で、太政官牒二紙、複数の古文書を表装した巻子三軸からなる。 これらは明治33(1900)年に、水野家第十代当主忠幹(ただもと)から南葵文庫に寄贈されたものである。関東大震災の後、南葵文庫の蔵書は東京帝国大学へと寄贈されるが、本文書は未整理のまま留め置かれていた。このたび調査が行われ、東京大学総合図書館はこの5点を貴重図書に指定した。 解題 【太政官牒について】(A00:6584) 【古文書巻子三軸について】(A00:6585) 富田正弘(富山大学名誉教授) 小島浩之(東京大学大学院経済学研究科講師)