%T 寒山詩闡提記聞 3巻(カンザンシ センダイ キモン) . %C 請求記号:鴎E45:2480 %C 注記:書入頁の一部(メモのみ) %C 伝説的な僧侶、寒山の詩に、江戸中期の禅僧白隠慧鶴《はくいんえかく》が註を加えた書。闡提《せんだい》は白隠の号である。本文に付された夥しい量の書き入れのほとんどは、いわゆる朱引(しゅびき)であり、鴎外の筆かどうか、判別しがたい。 鴎外が浅草の文淵閣浅倉屋で入手したと思われる本書には4枚の自筆メモが挟まれている。メモは『制度通』などに拠った中国の官制、地理に関する覚書であり、断片的に記された情報の多くが、鴎外の小説『寒山拾得』本文と一致する。本書に収める「三隠詩集」は美術の分野でも寒山・拾得を描く際の資料となってきたが、これらのメモから、鴎外が資料として本書を参照した可能性が指摘されている。(多) %C 関連作品: 『寒山拾得』(全集16巻) http://www.aozora.gr.jp/cards/000129/card679.html %C 参考文献: 古田島洋介「「寒山拾得」新注」(『比較文学研究』42号,1982年11月) %T 校正傷寒論 10巻(存5巻) %A 張, 仲景 %I [出版者不明] %C 請求記号:V11:1337B %C 注記:題簽(墨書)の書名: 校正宋版傷寒論 %C 注記:題簽(墨書)による巻次: 中 %C 注記:存巻第2至第6 %C 注記:版心下部に「拙菴藏」とあり %C 注記:後印本 %C 注記:四周単辺有界11行21字、単魚尾 %C 注記:頭注あり %C 注記:訓点付 %C 注記:印記: 「土肥慶藏(白澤)」 %C 注記:蔵書票: 「土肥藏書」 %C 注記:裏見返しに「天野氏」と墨書あり %C 注記:朱筆書き入れあり %C 注記:挟みもの: メモ1枚 %T 美術小記(ビジュツ ショウキ) . [写本] %C 請求記号:鴎F10:99 %C 注記:全頁 %C 鴎外による自筆ノート。美術関係の事項のメモで、主として画家の伝記・系図・目録などが収録されている。内容は、谷文晁『図書興発一名文晁画談』、屋代弘賢『輪翁画譚』、新井守村『随観抄』、無帠『近世逸人画史』、からの抜抄、および『絵巻目録』、『日本画各派系統図』、『楽茶碗師統譜』、『銘器秘録』、『銘物集』、『茶器目利集』からの抜鈔である。大正10年(1921)没の冶金家岡崎雪声の記事があることから、鴎外の最晩年のものであることがわかる。(多) %T Martin Luther's Leben / von Gustav Pfizer. %C 請求記号:鴎C400:217 %C 注記:書入頁 %C グスタフ・ファイザー著『マルティン・ルターの生涯』。扉のメモから鴎外は1886年3月23日ミュンヘンで購入したと推定される。鴎外は人名や日付に下線を引き、歴史・宗教についての内容メモを書入れている他、「描叙英雄気象、文有生色」、「若読水滸伝」など、ファイザーの生彩あふれる人物描写の文体に触れたコメントも含まれている。鴎外はドイツ留学中に西洋史の歴史書・伝記等を多く読んでいたが、その読み方を知る上で貴重な資料である。(河) %T 釋小記(シャク ショウキ) . [写本] %C 請求記号:鴎C40:1107 %C 注記:全頁 %C 南都六宗から天台・真言を経て鎌倉仏教に至る仏教諸宗派、さらに修験道・虚無僧について、開祖、日本への来歴、主要な教祖の名といった歴史的事実が記されており、さらに末尾には上代仏教法制史関連の記事を『日本書紀』、『続日本紀』等より抜き書きしたもの、また徳川家にゆかりのある寺院の沿革のメモがある。 『釈小記続』という題僉が付された『日本仏教史綱』が大正5年頃の成立と推定されるため、本書はそれより以前のメモということになる。晩年の鴎外は文章ではなく固有名のみを複数の書から抜書する形式のメモを多く残しているが、本書は文章の抜書と人名録とが混在したスタイルをとっている。(多) %T 新刊外科正宗 4巻 [4] %A 陳, 実功 %I 武村嘉兵衞 : 林喜兵衞 : 林權兵衞 %C [1791] %C 請求記号:V11:1095 %C 注記:卷之2の巻尾、序、見返し及び題簽の書名: 外科正宗 %C 注記:序の書名: 重刻外科正宗 %C 注記:奥付に「舊板寛文癸卯八月 新鐫寛政辛亥四月」「芳蘭榭藏」とあり %C 注記:見返しに「芳蘭榭藏版」とあり %C 注記:四周単辺有界9行20字、単魚尾 %C 注記:頭注あり %C 注記:訓点付 %C 注記:印記: 「土肥慶藏」,「土肥慶藏(白澤)」 %C 注記:蔵書票: 「土肥藏書」 %C 注記:卷之1-3の巻頭に「土肥慶藏蔵書」と墨書あり %C 注記:卷之4の見返しに「明治廿三年三月土肥慶民卿」と墨書あり %C 注記:朱筆書き入れあり %C 注記:挟みもの: メモ1枚 %T 新刊外科正宗 4巻 [1] %A 陳, 実功 %I 武村嘉兵衞 : 林喜兵衞 : 林權兵衞 %C [1791] %C 請求記号:V11:1095 %C 注記:卷之2の巻尾、序、見返し及び題簽の書名: 外科正宗 %C 注記:序の書名: 重刻外科正宗 %C 注記:奥付に「舊板寛文癸卯八月 新鐫寛政辛亥四月」「芳蘭榭藏」とあり %C 注記:見返しに「芳蘭榭藏版」とあり %C 注記:四周単辺有界9行20字、単魚尾 %C 注記:頭注あり %C 注記:訓点付 %C 注記:印記: 「土肥慶藏」,「土肥慶藏(白澤)」 %C 注記:蔵書票: 「土肥藏書」 %C 注記:卷之1-3の巻頭に「土肥慶藏蔵書」と墨書あり %C 注記:卷之4の見返しに「明治廿三年三月土肥慶民卿」と墨書あり %C 注記:朱筆書き入れあり %C 注記:挟みもの: メモ1枚 %T 新刊外科正宗 4巻 [2] %A 陳, 実功 %I 武村嘉兵衞 : 林喜兵衞 : 林權兵衞 %C [1791] %C 請求記号:V11:1095 %C 注記:卷之2の巻尾、序、見返し及び題簽の書名: 外科正宗 %C 注記:序の書名: 重刻外科正宗 %C 注記:奥付に「舊板寛文癸卯八月 新鐫寛政辛亥四月」「芳蘭榭藏」とあり %C 注記:見返しに「芳蘭榭藏版」とあり %C 注記:四周単辺有界9行20字、単魚尾 %C 注記:頭注あり %C 注記:訓点付 %C 注記:印記: 「土肥慶藏」,「土肥慶藏(白澤)」 %C 注記:蔵書票: 「土肥藏書」 %C 注記:卷之1-3の巻頭に「土肥慶藏蔵書」と墨書あり %C 注記:卷之4の見返しに「明治廿三年三月土肥慶民卿」と墨書あり %C 注記:朱筆書き入れあり %C 注記:挟みもの: メモ1枚 %T 新刊外科正宗 4巻 [3] %A 陳, 実功 %I 武村嘉兵衞 : 林喜兵衞 : 林權兵衞 %C [1791] %C 請求記号:V11:1095 %C 注記:卷之2の巻尾、序、見返し及び題簽の書名: 外科正宗 %C 注記:序の書名: 重刻外科正宗 %C 注記:奥付に「舊板寛文癸卯八月 新鐫寛政辛亥四月」「芳蘭榭藏」とあり %C 注記:見返しに「芳蘭榭藏版」とあり %C 注記:四周単辺有界9行20字、単魚尾 %C 注記:頭注あり %C 注記:訓点付 %C 注記:印記: 「土肥慶藏」,「土肥慶藏(白澤)」 %C 注記:蔵書票: 「土肥藏書」 %C 注記:卷之1-3の巻頭に「土肥慶藏蔵書」と墨書あり %C 注記:卷之4の見返しに「明治廿三年三月土肥慶民卿」と墨書あり %C 注記:朱筆書き入れあり %C 注記:挟みもの: メモ1枚 %T Poetik : die Dichtkunst und ihre Technik, vom Standpunkte der Neuzeit / Rudolf von Gottschall. %C 請求記号:鴎A100:1667 %C 注記:書入頁 %C ルドルフ・フォン・ゴットシャル『詩学』。 ゴットシャルはドイツの作家・劇作家。戯曲・小説・詩などの創作に加え、文芸批評など幅広い分野で多くの著作を残した。鴎外がゴットシャルを精読していたのはミュンヘン時代からベルリン時代にかけてと推定されている。 本書の正式な書名は『詩学~近代的視点から見た文芸とその技法~』(Poetik : die Dichtkunst und ihre Technik vom Standpunkt der Neuzeit)。「詩学」の理論書であり、その内容は文芸の原理的な考察、修辞学、ジャンル論(文芸を「抒情詩」、「叙事詩」(散文文芸を含む)、「演劇」に分類)に及ぶ。鴎外帰国後の初期文芸評論「現代諸家の小説論を読む」「明治二十二年批評家の詩眼」における小説の分類や、「『文学ト自然』ヲ読ム」における立論の依拠文献であり、鴎外の当時の小説観に大きな影響を及ぼした書物だといえる。また、修辞学の箇所では暗喩の実例として「花之白雪」「国家之柱石」と日本語の例を挙げたり、文芸の種類に下線を引いたりと、本書を教科書のようにして使った様子が浮かび上がる。 鴎外が帰国後も本書を参照していたことは書入れからも窺われる。坪内逍遥の『小説神髄』に触発されて著した「現代諸家の小説論を読む」で、鴎外は「春の屋の云く。小説の主脳は人情なり。世態風俗これに次ぐと。ゴツトシヤルの云く。小説の境地は即ち是人生の境地なりと。」と書いている。小堀桂一郎は、これは上巻第2篇第1章『詩における物質世界』(Die poetische Stoffwelt)における “Der Mittelpunkt der Poesie ist der Mensch.”という部分を指したものと推定している。上巻第2篇第3章「理想主義とリアリズム」(Idealismus und Realismus)という章の欄外にある「坪内人間派、小天地主義」という鉛筆のメモを含め、本書の書入れと『小説神髄』のそれには呼応する部分が多い。(河) %C 関連作品: 「『文学ト自然』ヲ読ム」(全集38巻) %C 関連作品: 「現代諸家の小説論を読む」(→「今の諸家の小説論を読みて」全集22巻) %C 関連作品: 「明治二十二年批評家の詩眼」(→「今の批評家の詩眼」全集22巻) %C 参考文献: 神田孝夫「鴎外初期の文芸評論」(『比較文学研究』4巻1・2号,1957年6月) %C 参考文献: 小堀桂一郎『若き日の森鴎外』東京大学出版会,1969年 %C 参考文献: 武田勝彦「R・ゴットシャルの経歴と作品」(『鴎外』53号,1993年7月)