学術資産のなかの生き物たち

学術資産のなかの生き物たち

ポータルに集まったデータの中から、 様々な生き物たちが現れるアイテムをご紹介します。


擬人化された生き物:「地震けん」「地震鯰の取り調べ」「神馬と鯰」
総合図書館「石本コレクション」

江戸から明治にかけて配布された災害に関するかわら版や錦絵などから成る石本コレクションには、ナマズと地震をコミカルに描いた「鯰絵」が多くあります。また「神馬と鯰」という資料では、馬も擬人化されています。

 

日本の牛:「國牛十圖」
農学生命科学研究科・農学部 「農学生命科学図書館コレクション」

鎌倉末期に成立した国産の牛を図説する資料で、江戸時代に書写されたものと言われています。タイトルでは"十圖"となっていますが、描かれているのは九頭まで!それぞれの牛たちの体格や表情の違いを是非ご覧ください。
さらに詳しい解説:農学部図書館所蔵資料から見る「農学教育の流れ」

 

鯨:「紀州熊野浦諸鯨之圖」
総合図書館 「紀州熊野浦諸鯨之圖」

江戸時代の紀州での捕鯨の様子が描かれた資料です。また鯨のほかにも、サメやイルカ、マンボウも描かれています。この資料は一軸の巻子本ですが、三種類の資料を繋ぎ合わせたものと見られています。(ページの左上にいるのは、この「紀州熊野浦諸鯨之圖」のマンボウです。)

 

鳥:「諸鳥の巣」, 東京大学演習林の鳥たち
大学院法学政治学研究科附属近代日本法政史料センター明治新聞雑誌文庫 「宮武外骨蒐集資料」
農学生命科学研究科・農学部「東京大学演習林の鳥たち」

  • 「諸鳥の巣」は宮武外骨が収集した資料の一点で、タイトルの通り様々な鳥の巣の場所や鳥に関する地名等を記したアイテムです。実際に巣にいるカルガモやウミネコなどの写真が貼りこまれています。
  • 「東京大学演習林の鳥たち」では、鳥類目録の作成と生息種のモニタリングを目的に撮影された鳥たちの写真を見ることができます。

 

鶉(うずら)それとも鼠?:「鶉の白拍子」
総合図書館「霞亭文庫」

江戸時代中期の戯作者・伊庭可笑による黄表紙です。「鶉の白拍子」というタイトルですが、白鼠と熊鼠の争いを描いています。日本古典文学大辞典によると、タイトルは晩春を表す言葉である「田鼠化して鶉となる」に依っています。ここでいう「田鼠」はもぐらを指していますが、「鶉の白拍子」では文字通り田鼠(熊鼠)が、鶉の白拍子に化けて「道成寺」を演じるという場面となっています。

 

猫:「ねこのさうし(霞亭文庫)」 , 「ねこのさうし (富士川文庫)
総合図書館「霞亭文庫」
教育学研究科・教育学部 「富士川文庫」

「御伽草子」の中の一巻です。「猫を放し飼いにし、売買を停止するように」という高札が立てられたところ、猫が喜んで跳びまわるようになり、鼠は困ってしまいます。ある晩、上京辺の高僧の夢に鼠の和尚が現れて...というストーリーです。この物語は、東大の広報誌『淡青』「猫と東大。」特集にも取り上げられています。