資料の解説

東京大学総合図書館の所蔵資料のうち、雑俳を含む連歌俳諧書を対象として『連歌俳諧書目録』が編纂されました(1972(昭和47)年刊行)。そして『連歌俳諧書目録』に掲載された洒竹文庫・竹冷文庫・知十文庫などの主だった資料は、目録刊行後に順次マイクロフィッシュの形態で出版されました。

本データベースでは、マイクロフィッシュから作成した画像を中心に、新たに撮影を行った『連歌俳諧書目録』所収資料もあわせて公開しています。

*マイクロフィッシュからの画像作成は、国文学研究資料館が推進する「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」により行われました。

 

【本データベースの書名等について】

  • 各資料の書名は、「東京大学総合図書館所蔵洒竹・竹冷・知十文庫連歌俳諧書マイクロフィッシュ版収録書総索引」にある書名を原則に、「国書データベース」等を参照して入力しています。ただし旧字は新字にあらため、踊り字は該当する語に置き換えています。
  • 『連歌俳諧書目録』の凡例(一部)は、次のとおりです。
    • 一、本目録は、昭和四十六年九月現在、東京大学総合図書館所蔵の連歌俳諧雑俳書の総目録である。
    • 一、原則として明治以後出版のものを除いたが、和装木版本および複製本は加えた。
    • 一、「俳諧」を冠する書名は、原則として「俳諧」を削って訓む例にならった。

 

【洒竹文庫・竹冷文庫・知十文庫について】

〔洒竹文庫〕

明治時代の俳人・医者である大野洒竹(おおの しゃちく, 1872-1913)の収集した江戸時代の俳書コレクション(約3000部)。

大野洒竹没後の1916(大正5)年に、「洒竹文庫」の名を永久に保存するという約束のもとに東京帝国大学文科大学国文学研究室に譲渡されました。1923(大正12)年の関東大震災で約1000部が消失し、現在は約3000部が総合図書館に収蔵されています。

詳細ページ:総合図書館コレクション解説(洒竹文庫)

 

〔竹冷文庫〕

政治家および俳人である角田竹冷(つのだ ちくれい, 1857-1919)の収集した俳書。竹冷没後は次男の竹涼に伝えられ、1932(昭和7)年に東京帝国大学文学部国文学研究室に寄贈、さらにその後、総合図書館に収蔵されました。

詳細ページ:総合図書館コレクション解説(竹冷文庫)

 

〔知十文庫〕

明治から昭和前期の俳人である岡野知十(おかの ちじゅう, 1860-1932)の収集した俳書。江戸座に関するものが中心となっています。1923(昭和8)年に総合図書館に寄贈されました。

詳細ページ:総合図書館コレクション解説(知十文庫)

 

【参考情報】

(1)洒竹・竹冷・知十文庫を中心とした江戸期の俳書についての特別展示会を2002年度に開催しました。そのサイトを以下からご覧いただけます。
2002年度東京大学附属図書館特別展示会「江戸期の俳書展」

(2)「東京大学総合図書館所蔵洒竹・竹冷・知十文庫連歌俳諧書マイクロフィッシュ版収録書総索引」は以下のサイトからダウンロードすることができます(PDF形式)。
ワシントン大学図書館リポジトリ(「日本学多巻資料の総目次・索引電子化プロジェクト」)