明治新聞雑誌文庫所蔵新聞号外コレクションでは、東京大学大学院法学政治学研究科附属近代日本法政史料センター明治新聞雑誌文庫所蔵資料のうち、明治期~昭和戦前期の主に一枚物の新聞号外として整理された資料(一部附録を含む)をデジタル化し公開しています。
当コレクションには、全国紙から地方紙まで新聞各社が競って号外を発行した日露戦争期のものを中心に、宮武外骨(https://da.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/portal/node/470662)が蒐集した明治初期発行のものや、日清戦争、明治天皇崩御、関東大震災の際に発行されたものなどが含まれています。
日露戦争の頃には購読者獲得のため、新聞社による空前の号外発行競争が東京大阪だけでなく全国的に繰り広げられました。戦況が刻々と変化するにつれ、第二号外、第三号外など同じ日に複数回発行されている事例を多く見ることができます。
現在の号外は新聞本紙と同サイズのものが一般的ですが、当コレクションの号外は手のひら大の小さなものや色刷りのものなど、時代や状況によって変化する様々な発行形態の号外をご覧いただけます。また、活字の組み方が行内で異なっている号外(『東北新聞』明治27年8月27日[号外])、郵便はがきに印刷され本紙購読者へ直接届けられた号外(『東京日日新聞』明治15年8月19日[号外])など、ユニークな発行例も収録されています。
〇号外についてもっと知りたい方は(参考文献)
- 小野秀雄『日本新聞発達史』(大阪毎日新聞社,東京日日新聞社, 1922)
- 宮武外骨「新聞雑誌の号外(上・下)」(『公私月報』9-10, 宮武外骨, 1931)
- 山本文雄「日本号外小史」(山本文雄編『号外大事件集成』, 現代ジャーナル社, 1967)
〇東京大学大学院法学政治学研究科附属近代日本法政史料センター明治新聞雑誌文庫とは
昭和2(1927)年に「新聞保存」を掲げ、東京帝国大学法学部付属施設として創設。明治期~昭和戦前期にかけての新聞・雑誌・錦絵等関係資料を所蔵、公開している。明治・大正期に国内で刊行された新聞・雑誌コレクションとしては世界最大級とされる。所蔵資料は国内外における多方面の研究活動、歴史編纂事業、展示などに役立てられている。