資料の解説

第六回極東熱帯医学会資料

極東熱帯医学会(Far Eastern Association of Tropical Medicine)はPaul.C.Freer博士の提唱で1909年に設立され、翌1910年にマニラにて第一回総会が開催された。

19世紀中頃から万国衛生会議(International Sanitary Conferences)等で公衆衛生についての国際協動の動きがあったが、それらはヨーロッパ中心であったことから、極東の国々の疾病についての研究促進や衛生についての協議を目的とし創設されたものである。

第六回総会は会頭に北里柴三郎、副会頭に長與又郎を据え、1925年10月に東京で開催された。
開会式は東京帝国大学の大講堂で開かれ、施設の視察も行われた。
富士川游、呉秀三が担当した医事展覧会では、日本の古代から幕末までの医療・医学に関する文物、当時の医療関係企業の製品等を展示した。
役員名簿や予定表を見ると、省庁の長や高官の名が並び総理大臣や外務大臣主催の宴席も設けられ、日本で最初に開催された国際学術会議に、政府としても力を入れて取り組んだことが分かる。

その他の東京大学所蔵資料

(1)日本医學歴史資料目録 : 第六回極東熱帯医學會附帯展覧會 / 極東熱帯医學會編 . - [東京] : [極東熱帯医學會] , 1925.10序
  [東京大学OPAC]
  [国立国会図書館デジタルコレクション]
(2)The medical history and medical education in Japan . - Tokyo : FEATM , 1925
  [東京大学OPAC]
(3)Sixth congress of the Far Eastern Association of Tropical Medicine : abstracts of scientific papers . - Tokyo : [Far Eastern Association of Tropical Medicine] , 1925
  [東京大学OPAC]
(4)Report of the sixth Congress of the Far Eastern Association of Tropical Medicine / 宮川米次編 . - [東京] : 宮川米次 , 1926.12
  [東京大学OPAC]
(5)Transactions of the sixth biennial congress held at Tokyo, 1925 Vol. 1,Vol. 2. - Tokyo : Kyorinsha Medical Pub. Co. , 1925.
  [東京大学OPAC]
(6)東京大学総合研究博物館所蔵三宅一族旧蔵コレクション「極東熱帯医学会六周年記念章」
  [東京大学総合研究博物館データベース]