Series Title：SCHOLA ITALICA PICTURAE

シリーズタイトル [Series Title]：イタリア画家集

Part Number／シリーズ内番号：39

Inscription 1：Orco Lucina e NorandinoTenea la mano al buco de la tana, Perche col gregge non uscissim noi; Ci prendea al varco, e quando pelo, o lana Sentia su'l dosso, ne lasciava poi. L. Ariost. nel Furios. Cant. XVII.Exstat Romae in Aedibus Burghesianis

版画銘文・版刻文1 [Inscription 1]：オルクス,ルチーナ,ノランディーノ「群れと一緒にわれらも外に出ないようにと,オルクスは岩戸の戸口にその手を差し渡し,出口でわれらを捕まえて,背中に山羊の皮やら羊の皮があれば,そのまま通す。」アリオスト『狂えるオルランド』第17歌より。ローマ,ボルゲーゼ荘にある

版画銘文・版刻文1の訳注：Calcografia, p.300, N.1010, tav.39の記載によれば,本版画の作品名はOrco Lucina e Morandinoの表記であるが正しくは,Norandinoである(L. Ariosto, "Orlando Furioso", Cant.17)。1. オルクス,ルチーナ,ノランディーノは,ルドヴィコ・アリオスト『狂乱のオルランド』第17歌に登場する挿話。シリアの王ノランディーノが,盲目の化け物オルクスに捕らえられた王妃ルチーナを救出しようと奮闘する話である。化物オルクスによってルチーナとともに岩戸に幽閉された人々は,目の見えないオクルスを欺くため,山羊や羊の毛皮をかぶり家畜のふりをして岩戸から脱出しようとする。しかし,ルチーナ姫だけは,オルクスに見破られ,元の岩戸へと追い返されてしまう。描かれた場面は,ルチーナがオルクスによって,毛皮を剥ぎ取られ正体を見破られてしまう瞬間である。碑文は,『狂えるオルランド』第17歌55節の部分である。邦訳は,脇功訳 アリオスト『狂えるオルランド』(名古屋大学出版会 2001年)を引用させていただいた。2. Cunego Domenico (1724/5Verona-1803Roma):イタリア人版画家。油彩画を数点制作したが,版画に転向する。1764年から1778年にかけて,ギャヴィン・ハミルトンの絵画を多数版画にしている。1769年,クネーゴは,ロンドンで出版された『英国の主要な絵画作品の版画集』の図版数点,および,ギャヴィン・ハミルトンによるSchola Italica Picturae『イタリア画家集』のための図版22枚の注文を受ける(つまり,本22巻である)。同時期に,クネーゴは,ジョルジョーネ,ティツィアーノ,グイド・レーニ,ドメニキーノ,グエルチーノといった巨匠たちの作品やミケランジェロ《最終審判》(ローマ,システィーナ礼拝堂)などを版画化した。彼は《クレメンス13世(ピラネージ原画》(本第7巻2葉である)など肖像画も制作している。これらの仕事によりクネーゴはローマで名声を得ることとなり,新古典主義グループの中でもその地位を確立した。また,クネーゴはアントン・ラファエル・メングスの贔屓の版画家でもあった。ジャン・カルロ・コロンボ,カミッロ・ティンティ(1738-96)らがクネーゴに師事した。

Signature：Joh. Lanfranchi pinxitDom. Cunego sculpsit Romae 1772.

銘記・署名 [Signature]：ジョヴァンニ・ランフランコが描いた。ローマでドメニコ・クネーゴ2が1772年に版刻した。

Volume／巻番号：22

Plate／葉番号：39

Kamei Collection Number／亀井文庫番号：1010

Firmin-Didot Number／Firmin-Didotレゾネ番号：1010

Negative Film Number／ネガ記載番号：22039

Image Number／画像シリアル番号：1226

Image Size／画像実寸：204X378

Plate Size／プレート実寸：248X400

Calcografia volume number／Calcografia巻番号：VENTIDUESIMO

Calcografia Number／Calcografiaレゾネ番号：1010

subject：pittura

Calco_tav_no：tav. 39