このデータベースは、東京大学総合図書館で所蔵する亀井文庫『ピラネージ版画集 Opere di Giovanni Battista Piranesi, Francesco Piranesi e d'altri 』(フィルマン・ ディド兄弟出版社, 1835-1839)全29巻をデジタル化したものです。
※2020年7月に「ピラネージ画像データベース(拡張版)」を公開しました。是非ご利用ください。
元来は、特別推進研究(COE)「象形文化の継承と創成に関する研究」(1999-2003年度)による調査研究にもとづき構築・公開されたデータベースですが、システム運用上の問題から一時公開を停止していました。そのデータを引き継ぎ、2019年に東京大学デジタルアーカイブズ構築事業の一環としてリニューアル公開しました。
プロジェクト全体の情報は、『象形文化の継承と創成に関する研究』(平成11-15年度科学研究費補助金特別推進研究(COE)研究成果報告書)をご参照ください。
また、旧データベースでは「各巻頭やシリーズ冒頭に挟まれた冊子形態の序文・図版目録のテキストは、図版の解説に相当しその内容が研究資料となる」として、『ピラネージ版画集 Opere di Giovanni Battista Piranesi, Francesco Piranesi e d'altri 』の「序文」等もデジタル公開していました。当データベースでもそれらを引き継ぎ、同様に「序文」等として公開しています。
【凡例】
地名・人名などの固有名詞の和文表記について
- カタカナ表記の元となる言語の選択について
(1-a) 地名・人名の固有名詞については,原則として可能な限り「現地語読みに基づいたカタカナ表記」の方針を取る。ここにいう「現地語」とは,本データベースの扱う題材が地理的のみならず時代的広がりを持っていることを考慮して,より正確に言えば「現地・当代語読み」とも言うべき,拡大された意味での「現地語読み」である。
(1-b) よって,本データベースで主に扱われるイタリア半島における人物・地名等については,ローマ時代から存在する人物・土地の名称はラテン語の表記に従って,それ以降のものについてはジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージによるイタリア語の表記に従って,カタカナにする。また古代ギリシャに由来する地名・人名については,古典ギリシャ語を元にする。
(1-c) たとえ古代ギリシャに由来する地名・人名であっても,ローマ世界に密着した形で使用される場合は,ラテン語形を採用した。例として,イタリア半島における神殿において,古代ギリシャ起源と目される神・英雄が完全にローマ化されている場合などである。
例:ユッピテル・スタトル神殿,ポルティクス・オクタウィアエ内にあるユノ神殿(1-d) ローマ時代から存在する古代の名称とは別に,後代の名称が広く慣例として通用している場合,古代の名称[一般的通称名]のように,[ ]を付して併記した。また,ローマ時代以降の地名の呼称であっても,別の形で古代の名称が存在する場合,イタリア語読み名称《ラテン語読み名称》のように,《 》を付けて併記した。
(1-e) 地名・人名の範疇は,実在するもののみならず,神話上の地名,人名,英雄名,および神の名前等をも含むものとする。
- カタカナ表記における諸規則
(2-a) 古典ギリシャ語・ラテン語においては,長母音を示すための音引き「ー」は削除し,促音「ッ」は ll,rrの前も含め全て採用する。有気子音については,th,khは[t],[k]に準じて,phについては[f]に準じて,音写する。
(2-b) イタリア語における音引きとアクセントの関係については,以下のようにする。
- 後ろから第二音節にアクセントのあるものは原則として音引きを入れる。
- ただし, 二重子音の前は音引きを削除し,連続する母音にアクセントがある場合は慣用に従う。
- 後ろから第二音節以外にアクセントのあるものは音引きを削除。(例: Stefano「ステファノ」)
- 例外事項
一般的にとりわけなじみの深い下記の地名・人名については,慣例として通用している名称を採用した。
- 地名:
- ローマ(×ロマ:cf. 2-a)
- ギリシャ(cf. 1-a)
- ナイル(cf. 1-a)
人名: - アポロ/アポロン(×アポッロ/アポッロン:cf. 2-a)
- フローラ(×フロラ:cf. 2-a)
- ヘラクレス(×ヘルクレス:cf. 1-c)
- メドゥーサ(×メドゥサ:cf. 2-a)
括弧の用法について
- [ ] 通称名,現代名,別形,一般的補足説明
- 《 》 古代名,語源
- 〔 〕 訳者による注釈,原文にない補足説明
主なメタデータの説明
- Title/作品タイトル:作品のタイトル。原文はCalcografia に拠る。和文は,Calcografia に準拠し,本拠点にて翻訳をおこない,必要に応じて訳者による補足説明を〔 〕で付した。
- Author/作者名:和文のカタカナ表記は,作者名の母国語読みを採用しています。
- Opera/複数シリーズ構成の作品集名:複数のシリーズから構成される作品集名で、第1-第4巻で構成される『古代ローマの遺跡』を指します。
- Series Title /シリーズタイトル:巻またはシリーズのタイトル。Carlo A. Petrucci, Catalogo generale delle stampe tratte dai rami incisi posseduti dalla Calcografia Nazionale, Roma, 1953 (以下,Calcografia) に拠る。和文はCalcografia に準拠し,翻訳をおこなったもの。
- Inscription/ 版画銘文・版刻文:版刻された記載文に従い,原則的に作者によるスペルミス・脱字もそのままテキスト化したもの。作者の創作によるラテン語の碑文については、慣例に従いテキスト化を行っている。翻訳に際し訳者による補足的説明が必要な場合,煩雑にならない範囲で〔 〕を付すか,訳者注欄に注記し、作者の記載内容と現在の歴史学的認識とが異なる場合,学術的に照合可能な範囲で注釈を付している。
- Plate/葉番号 :『ピラネージ版画集』の各巻ごとの頁数。頁数の後のアルファベットは,各葉内の版画の配置を示します。(配置と記号の対応は以下の通り。(左綴じの場合))
(左綴じ)
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(上綴じ)
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- Calcografia volume number/Calcografia巻番号:亀井文庫と Calcografia の構成との巻の対応は以下の通りです。
Calcografia | 亀井文庫 |
Tomo I.-IV. | 第1-第4巻 |
Tomo V. | 第5巻 |
Tomo VI. | 第6巻 |
Tomo VII. | 第7巻 |
Tomo VIII. | 第8巻 |
Tomo IX. | 第9巻 |
Tomo X. | 第10巻 |
Tomo XI. | 第11巻 |
Tomo XII. | 第12巻 |
Tomo XIII. | 第13巻 |
Tomo XIV. | 第14巻 |
Tomo XV. | 第15巻 |
Tomo XVI. | 第16巻 |
Tomo XVII. | 第17巻 |
Tomo XVIII. | 第18巻 |
Tomo XIX. | 第19巻 |
Tomo XX. | 第20巻 |
Tomo XXI. | 第21巻 |
Tomo XXII. | 第22巻 |
Tomo XXIII. | 第23巻 |
Tomo XXIV. | 第24巻,第25巻,第26巻 |
Tomo XXV. | 第27巻 |
Tomo XXVI. | 第28巻 |
Tomo XXVII. | 第29巻 |
- Part / シリーズ内の部:シリーズ内の部。Calcografia に拠る。Calcografia に記載のないものは表示されません。
- Part Number/シリーズ内番号:シリーズ内の連作番号。版画上に多くはローマ数字で記載されていますが、アラビア数字の場合もあります。版画上に記載のないものは表示されません。
- 画像実寸、プレート実寸: 縦×横で記載しています。画像はテキスト部分を除く実測値、プレートはプレートマークの実測値で、テキストのみの版画については,プレート・サイズのみを記載しています。
- Kamei Collection Number/亀井文庫番号:Firmin-Didot版の整理番号(F.Didot番号)の重複や記載ミスを,亀井文庫『ピラネージ版画集』の所有者であった亀井茲明が加筆修正した,『ピラネージ版画集』の通し番号。原則的にF.Didot番号と同じだが,一部,版画上に鉛筆書きで修正が加えられている。
- ラテン碑文参照番号:以下のとおり
CIL = Corpus Inscriptionum Latinarum, consilio et auctoritate Accademiae litterarum regiae Borussicae editum, Berlin, 1863-
I = Inscriptiones Latinae antiquissimae ad C. Caesaris mortum
I2 = Inscriptiones Latinae antiquissimae ad C. Caesaris mortum. Editio altera
V = Inscriptiones Galliae Cisalpinae Latinae
VI = Inscriptiones urbis Romae Latinae
IX = Inscriptiones Calabriae Apuliae Samnii Sabinorum Picenni Latinae
X = Inscriptiones Bruttiorum, Lucaniae, Campaniae, Siciliae, Sardiniae Latinae
XI = Inscriptiones Aemiliae, Etruriae, Umbriae Latinae
XIV = Inscriptiones Latii veteris Latinae
XV = Inscriptiones urbis Romae Latinae. Instrumentum domesticum
ILS = H. Dessau, ed., Inscriptiones Latinae Selectae, 5 vols, Berlin, 1892-1916
Imag = G. L. Gregori, ed., Supplementa Italica - Imagines: Supplementi fotografici ai volumi del CIL:
Roma (CIL, VI) I: Musei Capitolini, Roma, 1999
ROL = E. H. Warmington, Remains of Old Latin, vol. 4: Archaic Inscriptions, (Loeb Classical Library), London, 1940
PIR2 = E. Groag, A. Stein et al., eds., Prosopographia Imperii Romani saec. I, II, III.Editio altera, Berlin, 1933-
AE = L'Année épigraphique, 1888-
InscrIt = Inscriptiones Italiae, Roma, 1931-
InscrIt. 4. 1: Tibur = I. Mancini (ed.), 19522
ILLRP = A. Degrassi, Inscriptiones Latinae liberae rei publicae, 2 vols, Firenze 1957-1963.
V. Kockel = V. Kockel, Die Grabbauten vor dem Herkulaner Tor in Pompeji, Mainz am Rhein 1983.
- 各レゾネ番号
・F.Didot = Firmin-Didot版の版画上に記載された整理番号
・Calcografia = Carlo A. Petrucci, Catalogo generale delle stampe tratte dai rami incisi posseduti dalla Calcografia Nazionale, Roma, 1953。
Calcografia に連作番号の記載があるものは "tav. -" で示し,併せて表示した。
・H.Focillon = Henri Focillon, Giovanni Battista Piranesi: Essai de catalogue raisoneé de son oeuvre, Paris, 1918
・J. W. Ely = John Wilton Ely, Giovanni Battista Piranesi: The Complete Etchings, San Francisco, 1994。
一部,ステート違いのために図版の内容が異なる作品には * 印を付した。G. B. Piranesi以外の作者による作品でJ. W. Ely に図版の掲載がなく,
作品に関する記述のみがある場合には[ ]を付し掲載ページを示した。
・Taschen = Luigi Ficacci, PIRANESI The Complete Etchings, Köln, 2000
- The Museum of Modern Art, Kamakura & Hayama Catalog Number : 神奈川県立近代美術館『ピラネージ版画展』図録(日本美術館企画協議会編,1977年)の番号
- Machida City Museum of Graphic Arts Catalog Number : 町田市立国際版画美術館『ピラネージ版画展』図録(町田市立国際版画美術館編,1989年)の番号