Level: アイテム

identifier: O-COL-SN-161

Type: 錦絵

Subject: 新聞錦絵

number of pages: 1

来歴-所有者（L6-001）: 東京大学大学院情報学環図書室/附属社会情報研究資料センター

来歴-現物資料の来歴（L6-002）: 1970年代後半小野秀雄邸より旧新聞研究所に移管。1980年代から2000年代にかけて情報学環本館7F展示室に保存されていたものを、2007年以降図書室/社会情報研究資料センター貴重資料保存スペースに移管。

言語（L6-077）: ja

内容記述（L6-068）: 戦地から弟の霊環る(読み下し文_括弧なし:東京小川町に寓る小林某氏ハ、義弟斎藤某が陸軍に随行し、蕃地に/病死の報を得て哀哭寝食を絶すに至りしが、其憂欝を散さんと/黄昏頃より書斎に籠り、独酌居たる椽外に物音あるは/狗猫かと、見ゆれバ義弟/斎藤が容貎平日の/姿に不変、舎兄よ只今帰朝/しと、完爾と笑ひて席につき、/久し振なる盃を請んと進む景形の物淒けれバ思ハずも、喚と/叫びて駈(かけ)出し再び戻りて能見るに、又影だにもなかりしハ/友愛の情切なるより、斯る怪事を/自ら見しにや/転々堂鈍々記 )

作成（L6-027）: 絵師:一恵斎芳幾,彫師:ホクエイ

出版者（L6-074）: 人形町具足屋

デジタルデータ関連-デジタル化の有無（L6-046）: デジタル化済

元記事原文（CUSTOM_00023）: 小川町一番に住める斉藤某ハ元濱松県の士族な/り先に陸軍に附■して蕃地に随行せしが本月5日/■■より某すでに彼の地にて病死せし由の来信あ/りしかバ其義兄小林氏も之レを聞て友愛の情切な/るより悲哀慟哭して寝食を絶するに至りしが此愛/鬱を散ずる物ハ酒に如じと去ル八日の黄昏ごろ聊/か酒肴を■へて小座敷に独酌し居たる折しも縁側(えんがは)/にて何か少しく物音しけれバ又例の猫■が■籠(とりかご)へ/掛るならんと顧(かへり)みるに薄白(うすしろ)キ物スツクト立たり小林/氏ハ何気なく首を挙(あげ)て見る時に是ハいかに義弟斎/藤某兼て見馴れし浴衣を着したるが兄さん帰りまし/たト完に(につこ)を笑ひたる容貌平日の姿(すがた)にて更に疑(うたが)ふべ/きに非(あら)ざれバ小林氏大に悦(よろこ)びて能も無事で帰り来/りしよな先ヅ坐すべし嘸(さぞ)かし難儀なる事にてこそと/云へバ実に大壮な艱難し(かんなん)を志ました併(■■)し何ハ兎(と)もあ/れ久しぶりなり兄さん一盃下されとて身を屈めた/る時何と無くものすごく成りて幽霊(ゆうれい)の様に思ハれ/けれバ■■ずアツと叫びて其まま駈(かけ)出(だ)し向(むかい)なる斎/藤氏の家へ走り入りて斯(かく)と告げたるに其言語も調(■■■)/ハず面色も常に変(かは)りたるを見て其の父母も大に驚(おどろ)/き恠(あや)しめり併し我が子の俤(おもかげ)ほのかにも見せるやと/小林と共に元の処に至り見るに又影だにも無かり/しとぞ斎藤某ハ記者も知りたる人なれバ其恠しき/物語なれども人の申送りしままを録す