摂津大津波次第

種別
図書
刊行年、書写年等
嘉永7年11月5日
刊行年月日(西暦)
1854
形態
縦×横(cm): 35×48
内容記述

内容分類: 災害

資料分類: かわら版

印刷分類: 木版(多色)

資料番号: I-05-015

サブコレクション: 石本コレクションI備考: 同資料:II-02-029

解説: これは扇の地紙(扇面)を模した枠内に、大坂での津波による被害の様相と、地震による被害の挿絵が描かれたかわら版である。大坂市中での被害の特徴は、地震の揺れそのものによる被害よりも、その直後に来襲した津波に押し上げられて、河川や堀川を遡上した大船群の衝突による被害の方が圧倒的に大きかった点である。そのため、このかわら版では南を上にして、木津川や安治川の河口から遡上して堀川に浸入した大船群と、それによって破壊された橋の様相が詳しく描かれている。現代の津波防災に関する研究では、津波による浸水域の解明が大きなテーマとなっており、過去にどこまで津波が到達したのかが、将来発生する津波被害を想定する上で重要な関心事となっている。このような防災上の観点から見ると、このかわら版は、津波被害が沿岸部に限定されたものではなく、津波が河川を遡上して内陸部に浸入した場合には、思いも寄らぬ形で被害をもたらすことを、決して誇張ではない絵図でもって現代に伝えている。そのためこのかわら版からは、河川を遡上する津波によって、河口部に碇泊していた船舶が押し上げられて河川を遡行し、橋梁や川沿いの建造物に被害を及ぼす可能性を読み取ることができる。約百五十年前のかわら版が、現代の私たちに津波災害の恐ろしさを警告する役割を担っているとも言えよう。【西山昭仁】

コレクション名

  • 石本コレクション

    地震研究所第2代所長・石本巳四雄氏が収集した、災害に関するかわら版や錦絵などから成る資料群です。(旧サイト名「地震火災版画張交帖」)
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