享保十八年山本長兵衛刊謡本で、橙色表紙に刷題簽を貼る。片面七行。内組Ｆのうち十一・二十冊目と、外組ｅのうち四、五、六、八、十三、十六、十七、十八冊目の計十冊。86/1/2邯鄲組刊記に「右之本者観世左近太夫／以章句真本今亦新令改／版者也／享保十八年〈癸丑〉歳仲呂／皇都二条通御幸町西入町／山本長兵衛（朱印「本家」）」。86/1/3の熊坂、86/1/5の弱法師、86/1/7の岩舟・生田敦盛の型付書入は「本家シブ表紙本」の写しという。86/1/1の呉服、86/1/2の殺生石、86/1/4の車僧、86/1/6の俊成忠度、86/1/9の舎利などの型付書入は筆が似ており、清宣が清興の指導を受けた際のものらしい。86/1/5の弱法師には、朱の直しは周雪（重賢）の本に、墨の直しは玄用（重記）の直しを写したものであるとの享保六年十月の清親の本奥書や、それが本家石タヽミの本（123箱の一連の謡本と関係）の写しであり、石タヽミの本の頭書の朱の周雪の仕舞付は外に写し置いたとの文化十四年三月の清宣の奥書がある。86/1/8の玄上の書入は「本家書物之内ヤリタイシノ表紙ノ本ノ写」。86/1/6の草子洗のみ、朱と墨の書き入れの他に貼紙多数あり。