Level: アイテム

identifier: O-COL-SN-166

Type: 錦絵

Subject: 新聞錦絵

number of pages: 1

来歴-所有者（L6-001）: 東京大学大学院情報学環図書室/附属社会情報研究資料センター

来歴-現物資料の来歴（L6-002）: 1970年代後半小野秀雄邸より旧新聞研究所に移管。1980年代から2000年代にかけて情報学環本館7F展示室に保存されていたものを、2007年以降図書室/社会情報研究資料センター貴重資料保存スペースに移管。

言語（L6-077）: ja

内容記述（L6-068）: 心中した子供への親心 (読み下し文_括弧なし:千代八千代かはらぬ色のもろ/白髪それにハあらで一日を二世と/三世にこめたるハ武蔵の国小諸/村の男女になん現世の縁のうすき/をうらみ覚束なくも未来を香花/院にて情死/せしに余時住僧の嚇死/せし迄ハ既に前号に詳なり両親これ/を悲しミ黄泉のさわりと白雪の帽子/姿に女を粧ほひ男もシやンと麻上下どこ/やらそぐはぬ三々九度色直しの床入り/まで宛然生る人の如く親類もお目出/度のおひらきと合■の礼全く畢り再/同穴の葬儀を遂げたり高砂の諷ひ終ハざるに/念佛の声つぐ若しこの媒酌を件の僧に/托せハ三人揃ひし夜台の奇縁ああ/恋路の闇子ゆゑの闇いとも/黒白なき事になん/山人誌 )

作成（L6-027）: 絵師:恵斎芳幾,彫師:渡辺彫栄

出版者（L6-074）: 人形町具足屋

デジタルデータ関連-デジタル化の有無（L6-046）: デジタル化済

元記事原文（CUSTOM_00023）: 前号に録する所の埼玉県管内小諸村情死の後話/を得たり元来この二人の男女密かに相通して情好/互いに浅からざるも故ありて夫婦たる事を得ざる/より遂に此短見を執り或る寺の本堂に忍び入りて/未来の契りを心あてに共に白刃に貫かれて死した/り然るに其寺の老僧夜あけ前より仏前に読経(どきょう)して/居たりしが漸やく東方白きに始めて二人の血に/塗(まみ)れ死し居たるを見出しビックリ仰天気を奪ハれ/此より病を発し日ならずこの若僧も亦死したるに/て以上前号の略なり扨この両人の男女ハ何れも最愛の子女にしてその両親等深(ふか)く生前の素顔(ねがい)を果さ/しめず非命の死を遂げし事を悔ゐ悲しみ終にまた/黄泉(よみじ)の下(もと)にても若しや野鷺鴦の分飛(わかれ)せん事を憐れ/み検屍(けんし)の後二人の死骸を家に引き取り男にハ紋つ/きの上下(かみしも)衣服また女にハ綿帽子(わたぼうし)に白無垢の振袖(ふりそで)を/着させながら生たる人の如くに親戚(しんせき)を会し郷友(ともだち)を/招き鼓吹大雷(こすいたいらい)して喜酒(きしゆ)を喫(きつ)し三々九度(さんさんくど)の盃(さかづき)ごと色/なおしより床(とこ)入りまで婚礼の式万端のこる所なく/諸親類も一旦目出度おひらきの大尾まで為し終り/更に又相会して同穴合葬(とうけつがつそう)の儀を執り行いたりとぞ/高砂の諷(うた)いいまだ終らず念仏の声忽に起る一日中/に二世三世諸行無常悲喜交集此日の媒酌人の名を/きりざりしが恐らくハ嚇死(かくし)の老僧こそ的当の任と/云うべし然らバ是一箇の新嬢(はなよめ)と紅鸞(はなむこ)に恰もこの一/箇老僧の月下氷人あり奇遇の縁夜憂一場の佳話を/増すべし恋路の闇に迷う子にハ子まゑにくらき親/親あり是数月前の事にて頗る旧聞なれども奇中の奇故に爰に賛す