Deutscher Novellenschatz / herausgegeben von Paul Heyse und Hermann Kurz.

種別
図書
内容記述

請求記号:鴎E400:313

注記:書入頁の一部(文字書入のみ)

パウル・ハイゼ、ヘルマン・クルツ共編『ドイツ短編集』全24巻。 総計86篇が収録されるが、31編を除いて、各編の終わりに読後感と読了日付が書入れてあり、これによって鴎外のライプチヒ時代の読書歴の多くを知ることができる。後年『悪因縁』(全集1巻)として訳されたクライスト(H.Kleist)の『サント・ドミンゴ島の婚約』(Die Verlobung in St.Domingo、本書第1巻)の文末には、「驚魂動魄之文字 乙酉八月十二日」と記され、同じく『はげあたま』(全集3巻)として訳されたコピッシュ(A.Kopisch)の『イスキアのカーニバル』(Ein Carnevalsfest auf Ischia、本書第5巻)には、「一気呵成何等快筆.明治十八年四月廿三日」と識語が付されている。他、ハックレンデルの(F.W.Hackländer)の『二夜』(Zwei Nächte、本書第23巻)が、『ふた夜』(全集1巻)の翻訳原本である。 また、本書の内容は、明治20年代の鴎外の小説批評の基礎を形作っていると言えよう。たとえば、鴎外が「「文学ト自然」ヲ読ム」(全集22巻『文学と自然と』)で提出した小説の分類概念「単稗」、「複稗」は、本書第1巻序文におけるハイゼの「ノヴェルレ」、「ロマーン」の分類を参考にしていた。この他にも、実例引用において、本書に学んだ面が少なからず存在するらしい。 (山)

関連作品: 『悪因縁』(全集1巻)

関連作品: 『ふた夜』『はげあたま』(全集3巻)

関連作品: 『文学と自然と』(全集22巻)

参考文献: 寺内ちよ「ドイツ時代の鴎外の読書調査−資料研究−」(『比較文学研究』4巻1・2号,1957年6月)

参考文献: 小堀桂一郎『若き日の森鴎外』東京大学出版会,1969年

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